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我が輩は野良犬である4

2012/01/08 Sun 01:17

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ところでさぁ、人間の男っつーのはどーしてこうもバカばっかりなんだろうね。

っつーか、ミキちゃんの周りの男が特にバカばっかなんだろうけど、しかし、女という欲に目が眩んだ男っつーのはホントどーしょーもなんねぇな。

こないだもさぁ、ミキちゃんが変な男を連れて帰って来たんだよ、あれは夜中の2時頃だったかな。

そいつはミキちゃんの客らしいんだけど、部屋に入るなり「うひぁ~想像以上に散らかってるなぁ~」なんて森田健作みてぇな声で笑いやがってよ、いきなり上着なんか脱いで腕まくりなんかし始めるんだよ、夜中の2時に。

で、それ見たミキちゃんは「田所さんごめんねぇ~」なんてクスクス笑ってんだよ。

多分、恐らく我が輩が想像するには……

(田所)「そろそろ部屋に入れてくれよ、何もしないからさぁ……」
(ミキ)「……うん……でも、お部屋汚れてるから……」
(田所)「全然気にしないよそんな事、な、いいだろ?」
(ミキ)「……でも……本当に本当に汚れてるんだから……恥ずかしいよぅ……」
(田所)「よし、それじゃあ私がキミの部屋を掃除してやろうじゃないか、うん、それがいい、こう見えても家では家事洗濯掃除となんでもこなすスーパーパパさんなんだぜ」
(ミキ)「えーっ……でもそんなの悪いよぅ」
(田所)「全然平気。だって私は女の子の部屋を掃除するのが趣味なんだもん。女性専用のハウスクリーニングの商売したいくらいだよはははははははははははは」
(ミキ)「……どうしよっかな……」
(田所)「行こ行こ。こんな所で悩んでてもしょうがないよ、とっとと帰って掃除しよ、ね?」
(ミキ)「……うん」

……ってな感じで、この森田健作はまんまとこの部屋の侵入に成功したに違いないと、我が輩はそう思う。

そんなミキちゃんは、我が輩を抱きかかえながら「おじさん、お掃除上手だね」なんてクスクス笑ってる。
ヤケに酒臭い。
相当、このスーパーパパさんの森田健作に飲まされてるようだ。

健作は「これ捨てていい?」、「これはどーする?」なんて言いながら、次々にガラクタをゴミ袋の中に入れて行く。
こいつはかなり女房の尻に敷かれてる野郎なんだろうなと、我が輩はその手際の良さを見てつくづくそう思ったね。

脱ぎ捨てられた衣類をベッドの上にまとめ、ゴミやガラクタが取り除かれた部屋は結構スッキリした。
しかし、ここからがスーパーパパさんの腕の見せ所らしい。

健作は、半分くらい水の入ったバケツの中で雑巾をギュッと絞ると、「♪るるる~♪らりりりぃ~♪」などと演歌系の鼻歌を口ずさみながら、床やクローゼットの中をサッサと拭き始めた。

ついでに我が輩の檻の中まで綺麗に磨いてくれている。なかなか使える男だ健作は。

しかし、そのうち肝心のミキちゃんはスヤスヤと寝息を立て始めちゃったんだな、元々ミキちゃんは酒が弱いから。
せっかく掃除してイイトコ見せようと頑張ってるのに、肝心のミキちゃんが寝ちゃっては意味がねぇ、って事で「お~い・・・ミキぃ~・・・起きろよ~・・・」なんて、健作は床をゴシゴシしながら声なんか掛けたりしてる。

最初のうちは「あっ!・・・ごめんなさい寝ちゃった」なんて可愛い顔してクスッと笑ってたミキちゃんだったが、そのうち本格的に寝始めたんだなミキちゃんは。
スースーと小さな寝息なんか立てて赤ん坊のような寝顔でスヤスヤと眠っている。

最初のうちは、このヤロウなんか盗むんじゃねぇだろうな・・・ってな感じで、我が輩も健作の動きに逐一目を光らせていたわけだが、しかし、ミキちゃんの寝顔見てたらなんか我が輩も眠くなってきちまってさ、そんで我が輩もミキちゃんの温かい腕の中に潜り込んで寝ちゃったわけよ、うん。

それからどのくらい時間が経ったかなぁ、玄関の方で「カチャッ・・・」なんて音がしたから、ついつい寝てしまってた我が輩、パッと飛び起きた。

玄関を見に行くと、腕まくりをしたままの健作がヘトヘトになって靴履いてやがんの。
「なんだよ・・・もう帰るのか?」ってな感じで、我が輩が健作に近付いてヤツの靴ん中の匂いくらい嗅いでやってると、健作は、「じゃあ、おじちゃん帰るからね、おやすみ」なんて言いながら我が輩の頭を撫でるわけよ。

健作が玄関のドアを開けるともうすっかり朝でさぁ、いきなり飛び込んで来た太陽の光なんかに「うっ!」なんて顔を背けてんだよ健作の野郎。
んで、結局そのまま健作は帰っちまったわけだが、部屋に戻ってみると、隅々までキレーに掃除されてんの、もう床なんかピッカピカ。
そんなキレーな部屋見ると、どーしても汚したくなっちゃうんだよね犬って。
我が輩はさっそく敵対しているクッションをクローゼットの中から引きずり出すと、ガブッ!とやってやったよ。んで、お得意の噛み付き首フリ攻撃をお見舞いしてやった。
クッションの野郎、我が輩の噛み付き首フリ攻撃を喰らって、もうボロボロに綿なんか出しちゃって、秒殺でダウンしちまった。

続いてコレまで6勝3敗だったアンパンマンの野郎に呼び出しかけてさ、「かかってこんかい!」とばかりにガブッ!とやって壁に投げつけてやったら、ステレオの上に置いてあったミキちゃんの化粧道具箱に当たっちゃってさ、箱ごとガバーン!って床に落ちて床中に化粧品が散らばっちゃったんだけど、でもそんな事気にしてられねぇよ、ここでアンパンマンの野郎にゃあガツンとやってやらねぇとあいつは益々つけあがるばかりだしな、で、また違う壁に投げてやったんだけど、今度はそれが冷蔵庫の上の棚に直撃してさ、棚からドタドタドタってミキちゃんの朝食のシスコーンなんかが落ちて来たんだよな。

我が輩はちょうどいいやってな事でその床に散らばったシスコーンをボリボリと喰ったんだけど、寝起きに急に激しい運動したもんだから腹が痛くなってきてさ、でもシスコーン旨めぇから我慢してまだボリボリやってたら、無意識にブチっ!と糞が出てきやがってね、多分、さっき酔っぱらったミキちゃんが変な時間に牛乳なんか飲ませやがったからだと思うんだけど、とにかく、まぁ、凄い下痢なわけだ。

ビチビチビチ・・・なんて床の上にやっちゃったわけなんだけど、しかし、自分で言うのもなんだけどさ、この犬の本能っつーのはホント怖いよね、ビチグソを垂れてる最中でも、ゴミ箱ん中にクリーニングのビニールを発見しちまった時には、ケツからビチビチと出てるにも関わらず、「こんな所に隠れて嫌がったなビニール野郎!」とばかりに、あの史上最強に憎たらしいクリーニングのビニールをゴミ箱から引きずり出しちゃったもんね。
糞タレながら。

んで、足の裏に糞が付くのもおかまいなしに、ビニールの野郎を噛み千切ってやってたんだが、そしたらいきなり「ガチャッ……」っと玄関のドアが開くわけよ。

「こんな時間に誰だ!」とばかりに我が輩がワンワンワン!と吠えるってーと、そこには真っ青な顔をした健作が立ってた。

「……おまえ……人がせっかく綺麗にしたのに……」

健作は目に涙なんかウルウルさせて、糞と化粧品とシスコーンとクッションの綿と噛み千切られたビニールとアンパンマンを呆然と見つめていた。

「……もう知らねぇ……」
健作は諦めたようにそう呟くと、何かを探し始めた。
そして何かを発見した健作は、ベッドの下を覗き込みながら「あっ!」っと小さく叫んだ。

一応、我が輩も「なに?」ってな感じでベッドの下を覗いて見ると、そこには我が輩のビチビチウンコだらけになったスーツの上着がクシャクシャになって転がっていた…………

ごめん、健作。
しかも、さっきアンパンマンに興奮し過ぎて、ちょっとだけ噛んじゃったよ……

               6

こんなバカ男健作以外にも、ミキちゃんの部屋には、ミキちゃんを求めてやってくるアホウが沢山いた。
ま、それだけミキちゃんが魅力的というか軽いというか、スバリ言ってヤリマンなんだけどね。

ま、この部屋にやってくるのは大体が歌舞伎町のホストか、キャバクラの客なんだけど、そうそう、こないだ凄く図々しいヤツがいてさ……

そいつは宅急便の野郎なんだけどね、このマンションの担当なのかな、宅急便はいつもそいつが部屋に荷物持って来てたんだ。

ミキちゃんとも結構仲良くてね、そいつはいつもミキちゃんに「暑いですね」とか「寒いですね」なんてどーでもいい事を話し掛けてたわけよ。
で、我が輩にも「可愛いワンちゃんですねぇ」なんて頭撫でてくれたりもするし、そんな事から我が輩もそいつの靴噛んだりズボンの裾を噛み千切ったりしなかったんだな。

それがある時、ミキちゃんがちょっとコンビニに行ってる隙にあの宅急便野郎、いつものようにピンポン鳴らしてドアをガチャッて開けやがったよ。
ミキちゃんは基本的に鍵を掛けない性格なんだよね、ま、ヤリマンだからしょうがねぇんだけどね。
でも、鍵かけねぇと番犬としての我が輩の仕事が増えるから面倒クセぇんだよな、うん。

で、我が輩は「ミキちゃんは今コンビニ行ってるから後で来い!」って、そいつにワンワン吠えてたんだけど、なんとその野郎、ミキちゃんが留守だとわかったら、いきなり靴脱いで上がり込んできやがったんだ。

「コラっ!」って我が輩吠えまくったんだけど、そいつ番犬には手慣れてんだろうな、ポケットからポイッとビスケットなんか放りやがった。

ダメだよソレやられると、我が輩は番犬としての本分を捨ててビスケットにまっしぐらだ、うん。

すると野郎は、バクバクとビスケットにむしゃぶりつく我が輩を横目に5、6個のビスケットを廊下に撒き散らすと、浴室のドアを開けてドカドカと入って行きやがったね。

んで、我が輩が床のビスケットをガリガリしながらソッと浴室を覗くと、あの変態野郎、洗濯機の中を漁ってさミキちゃんの昨日のパンツなんかを取り出してやがんの。

それを眺めたり匂い嗅いだりしながらポコチン剥き出しにして千擦り初めてさ、挙げ句の果てにはミキちゃんのパンツに精液なんか飛ばしたりしてんだよ。

ま、パンツくらいならな、我が輩もビスケットを貰ってるわけだし、それなりのスジを通してもらってるわけだからそれ以上は文句言わネェけど、ま、宅急便の小僧がパンツを顔に押し付けながら「うわあぁ……」なんて呻いてる姿は、犬から見てもなんか空しくなってくるよな、実際。

あとさ、こんなヤツもいた。
そいつはミキちゃんの店の客なんだけど、40後半くらいかなぁ、とにかく猛烈にデブな親父だよ。

ミキちゃんは優しいからかヤリマンだからか、連れて来る男って結構醜男が多いのよ、うん。
そいつも凄い醜男でさ、畜生の我が輩が言うのもなんだけど、ありゃあ豚だね、豚。

ミキちゃんは部屋に入るなりいきなりその豚に全裸にされてさ、ベッドの上に連れて行かれて寝かされると、その豚に全身を舐められ始めたわけよ、ペロペロと。

その舐め時間っつーのがまた長いのなんのって、軽く3時間くらい舐めまくってるのね、まるでポリバケツを漁る豚みたいにブヒブヒと鼻鳴らしながら。

最初はミキちゃんも「あ~ん」とかって雰囲気出してたけど、そのうち飽きちゃったんだろうね、ミキちゃん飽き症だから。
気がつくとミキちゃんはスースーと寝息を立て始めてさ、んでも、その豚はミキちゃんの足の裏から爪の先から尻の穴からもうそこら中を舐め続けてたよ。

ま、我が輩も時々ミキちゃんの太ももとか膝っ小僧とかどさくさに紛れてペロッとやる事があるけどさ、正直言ってミキちゃんにはそのフェロモンっつーかそんなモノがムンムンと出てるから、どーしても舐めたくなっちゃうんだよね、顔もアイドルみたいにカワイイし。

あの豚男もそんなミキちゃんのフェロモンにハマっちゃったんだろうな、結局、グーグーと寝てるミキちゃんの身体中を朝まで舐めて、最後はテメーで千擦りこいて帰って行ったけどね。
空しいね。

そんなアホウな男達がミキちゃんの部屋とミキちゃんのアソコの中を出たり入ったりとピストン運動してたわけだけど、ミキちゃんは特定した「オトコ」は作らなかったね。

「毎月30マンのお小遣いあげるから!」って社長とか、ジャニーズ顔のイケメンホストとか、それなりに条件のイイ男達がかなりミキちゃんを口説いていたけど、結局ミキちゃんは誰のオンナにもならなかった。

その理由は我が輩が一番良く知ってんだよね。

ミキちゃんは、寝る時にはいつも我が輩に「のぶゆきおやすみ」ってチュッをしてくれるんだけど、その後にね、必ずもう一度「のぶくんおやすみなさい」って小さな声で言うんだよね。

うん、のぶくんっつーのは恐らく元彼だった電信柱パンツのシャブ中ヤクザの事だろうな。
今、刑務所入ってるバカ男。
そいつの事をまだ忘れられねぇのか知らネェけど、我が輩におやすみのチュッをした後は、必ずソレ言うんだよな……。

だから誰とも付きあわねぇんだと思うんだけど……でも、そいつが出所してきたらこの部屋に一緒に住むのかっつー問題があるわけよね我が輩には。

ヤダよ、そんなシャブ中。

ま、そんな不安を抱えながらものらりくらりと生活してたんだけど、ついにその不安が現実になっちまったんだな……これが……

遂に帰って来たよ……あの物騒な疫病神がよ……

 (5に続く)

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