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サンタクロースの苦悩と決断3




香奈恵は全裸の進藤を見つめたまま呆然としていた。
「大丈夫。キミを殺したり、家族に手を出したりは絶対にしないから……」
進藤はそう囁きながら、ガクガクと震える香奈恵の細い手を優しく握った。
香奈恵は何が何だわからないといった表情で、若い進藤の肉体をジッと見つめていた。何か言いたくてもアゴが震えて話せないらしく、半開きにさせた唇からは震える奥歯をカツコツと鳴らす音だけが聞こえて来た。
「怖がらなくてもいいから……」
そう言いながら香奈恵の唇に顔を近づけた。クールミント系の歯磨き粉の香りが香奈恵の口から不定期に漏れていた。そこに舌を押し込もうとした瞬間、そこで初めて香奈恵の反応し、「いや!」と叫びながら身体を背けようとした。

進藤は香奈恵の細い体を抱きしめた。脅える香奈恵の力が弱いのか、それとも自分の力が強くなっているのか、そんな香奈恵の細い体はいとも簡単に床に捩じ伏せる事が出来た。
バタバタともがき始めた香奈恵を身動きできないように羽交い締めにし、白いシャツを上まで捲った。
なんと香奈恵はノーブラだった。タポタポと揺れる乳が進藤の掌の中で跳ねた。そのプニョプニョとした大きな乳は、まるで指の隙間から垂れ落ちてしまいそうなくらい柔らかかった。

乳肉を激しく揉みながら、色素の薄い乳首を指で摘むと、「やめ下さい!」と香奈恵が叫んだ。
「大きな声を出すと娘達が起きるよ、声を出さない方がいいよ」
進藤が耳元でそう囁くと、香奈恵の首筋から高級そうな乳液の香りが漂ってきた。
「どうしてですか! あなたは誰なの!」
必死にもがきながら香奈恵は叫んだ。
「僕はサンタクロースです。貴女と僕にプレゼントをあげにやって来ました……」
香奈恵はそんな進藤を精神異常者と思ったのか、「いやっ!」と叫びながら、更に身体を激しく震わせた。

進藤は香奈恵の細い体を仰向けにさせた。手足をバタバタさせながら暴れる香奈恵を床に押し付け、スカートの中に手を入れた。
香奈恵は更に激しく抵抗した。一瞬、サンタの手袋をはめて、動かないように呪文を唱えようかと思ったが、しかしそれではおもしろくないと思った。こうやって暴れまくってくれたほうが、リスクを背負ってまで自分を若返らせた甲斐があるとそう思った。
パンティーを剥がすと、大きな尻と共にサワサワの陰毛が進藤の目に飛び込んで来た。左手で膝を押さえつけながら右手を股間に押し込むと、進藤の指にヌチャっと蠢く小陰唇の柔らかい感触が伝わって来た。

「入れてあげるからね、この大きなオチンチンを入れてあげるから」
そう囁きながら、進藤は起立したペニスを香奈恵の目の前に突き立てた。
「旦那さんのあの小さなチンコでは満足できなかったでしょ。ほら、見て下さいよ僕のオチンチン。凄いでしょ、石のように固いんですよ……」
シコシコとシゴくと我慢汁がピチュピチュといやらしい音を立てた。香奈恵は唇を震わせながら、その巨大なペニスをジッと見ていた。

ペニスを見せてから突然香奈恵の態度が急変した。
それは脅えているというより、諦めているといった感じで、穏やかに床に寝そべりながら無言で陰部を弄られていた。
そんな香奈恵の異変に、進藤はペニスの効果が効いたと細く微笑んだ。さすがは、若い頃、熟練したピンサロ婆に潮を吹かせた事のあるペニスだと、自分でも誇らしげに思った。

「触ってみます?」
そう笑うと、香奈恵はゆっくりと進藤の顔を見上げた。
「遠慮しなくてもいいですよ……これが貴女へのプレゼントなんですから……」
香奈恵は一瞬躊躇った。その躊躇いを進藤は見逃さなかった。
進藤はできれば香奈恵には触って欲しくなかった。いや、触って欲しいのは山々だったが、しかし、ペニスに触れる事によって進藤の中にある香奈恵の清楚なイメージが壊れてしまうと思い、それが怖くて触って欲しくはなかったのだ。

しかしそんな進藤の思惑は外れた。なんと香奈恵は進藤の股間に恐る恐る手を伸ばすと、無言のままペニスを握り、それを上下に動かし始めたのだ。
強烈な興奮と共に軽いショックが進藤の脳を襲った。
(どうしてだ……キミはあの優しい旦那と可愛い娘を裏切るつもりなのか……)
そう思いながらも、別の考えが進藤の頭に浮かんだ。
(そうか……これはいわゆる彼女なりの自己防衛なんだ……下手に騒いで抵抗すれば殺される恐れがある。だから彼女はそれを見越して、私を怒らせぬよう早くイカせようとしているんだ……そうに違いない……)
そう自分に納得させようとするが、しかし、香奈恵がペニスをシゴき始めてから、香奈恵の膣がみるみると濡れて来た。指がヌルヌルと滑り、クチャクチャといういやらしい音まで鳴り出し、これはあきらかに本気で感じている証拠なのだ。

「なぜだ……」

進藤はそう絶望しながら、ネトネトに濡れ輝く指を香奈恵の目前に突き付けた。
すると香奈恵はニヤッと唇の端を歪ませ、「だって……凄く大っきいんだもん……」と怪しく囁いた。
進藤は絶句した。うそだろ? っと誰彼なく聞いた。
実際、香奈恵の変貌には少し興奮した。しかしそれは悲しくもあった。そんな複雑な気分で香奈恵を見下ろしていると、突然香奈恵は身を乗り出し、「んんん……」と唸りながらペニスに顔を近づけた。そして真っ赤な舌で唇をペロペロと舐めると、そのまま大きく口をあげながら進藤の股間に顔を埋めようとした。

「や、やめろ!」

進藤は慌てて香奈恵を突き飛ばした。ガクッと肘を曲げた香奈恵が、進藤をゆっくり見上げながら「もう我慢できないの」と眉を八の字に下げた。

そんな変わり果てた香奈恵の顔を見て、進藤は途端に切なくなった。何も知らずに眠らされている旦那の顔が浮かんだ。ダスティン・ホフマンごときで目頭を熱くさせる純粋な旦那の顔が浮かび、そして同時に、プリキュアファイブの『ピンキーキャッチュ』をサンタにリクエストした小学生のお姉ちゃんと、クリスマスケーキに「ハッピバースデーちゅーゆー」と唄いながらロウソクを消そうとした幼い妹達の姿が浮かび、進藤はたちまち胸が張り裂けるような気持ちに襲われた。
「キミは……今のこの幸せに何も気付いていないのか!」
そう立ち上がると、進藤はソファーの上に置いてあった手袋をはめた。

(こんな女は生かしておいてもロクな事はない。いつかきっと旦那を裏切り、他に男を作るに決まっている。そして邪魔になった「ハッピバースデーちゅーゆー」の妹を虐待し、『ピンキーキャッチュ』のお姉ちゃんをバルコニーから突き落とし、この幸せな家庭を破滅に導くに違いない……)

そう思いながら進藤は香奈恵を指差した。消滅しろ。そうひと言呟けば、この淫乱女は閃光と共に消えてなくなるのだ。
そんな進藤を、香奈恵は不思議そうに見つめていた。その表情は何とも愛らしく、呪文を唱えようとする進藤の心を惑わせた。

(とにかく……こいつを消滅させるのは、一発ヤってからでも遅くはないか……)

進藤はそう妥協した。その愛くるしい顔に進藤は負けたのだ。
進藤は、そのまま香奈恵の首に首輪を嵌める呪文を唱えた。それは、ヤってしまった後、逃げられないようにする為だった。
冬の妖精が現れ、香奈恵の首にソッとキスした。閃光と共に香奈恵の首には鎖をジャラッと輝かせた真っ赤な首輪が現れた。
驚きながら首輪の鎖を見ている香奈恵をソファーの上に押し倒した。大きなゴム毬のような尻が進藤に向かってプリンッと揺れた。

「ここに……チンポを入れて欲しいのか?……」

そう囁きながら尻肉を両手で掻き分けた。赤黒く爛れた裂け目はいやらしい汁でネトネトに輝いていた。尻肉が開かれると同時に裂け目も透明の糸を引きながらゆっくりと口を開け、その奥にあるピンク色の穴をヒクヒクと動かした。

「お願い……早く入れて……」

ソファーの背もたれにしがみつきながらそう喘ぐ香奈恵。そんな香奈恵の乱れた裂け目に舌を伸ばし、その生温かい汁を舌でベロリと掬い取ると、「あんっ」という艶かしい声と共に美しい尻がプルルンっと揺れた。香奈恵の陰部にはボディーソープの甘い香りが漂っていた。

香奈恵の蜜はシロップのように甘かった。舌にネトネトと絡み付き、ペプペプと粘着力のある音を響かせていた。香奈恵はソファーに顔を押し付けながら、まるで猫の鳴き声のような声を張り上げていた。進藤は柔らかい穴の中に舌を捩じ込みながら、この声で娘達が起きて来なければいいがと心配していた。
それを香奈恵に尋ねると、香奈恵は尻をクネクネと振りながら、「大丈夫」とポツリと呟いた。
「娘達は一度寝たらなかなか起きないの……」
「じゃあ、旦那は?」
進藤は魔法で眠らされている旦那を思い浮かべながら、一応聞いて見た。
「あの人も大丈夫……一度DVDを見始めたら、震度七の地震が来たって動かないわ……」
進藤は、震度七の地震が来たら停電になってテレビが消えるだろバカ、と思いながら、この女は計算高い確信犯だとふと思った。そして、こんな糞女はやっぱり最後は殺すしかないなと頷いた。

首からぶら下がる鎖を手にした進藤は、そのまま香奈恵をソファーから立ち上がらせた。
まるで性奴隷のように立ち上がらされた香奈恵は、虚ろな目で進藤を見つめながら、「奥に客間があるから……」と廊下の突き当たりを指差した。
(ふん。そっちで思う存分ヤリまくってくれって事か……)
進藤はそんな香奈恵に再び怒りを覚えながらも、立ち上がった香奈恵の乳のあまりの美しさに息を飲んだ。

香奈恵を立たせたまま、スラリと細いその脚に頬を擦り寄せた。
くるぶしをチロチロと舐め、足の親指を口に含んで爪の先に舌を押し付けた。
ツルツルの脛に舌を上らせ、少女のように小さな膝をペロペロと舐めながら下から香奈恵を見上げると美乳がふるふると揺れているのが見え、改めて進藤は激しい欲情を感じた。
立たせたまま、ふわふわの陰毛の中に唇を潜り込ませた。そこにはボディーソープの香りと、先程自分が舐めまくった唾臭さが漂っていた。

香奈恵の顔を見上げたままクリトリスに舌を伸ばした。
「あんっ」とアゴを突き出す香奈恵を、進藤は陰毛の隙間から見つめながら聞いた。
「キミは僕が怖くないのかい?……」
香奈恵は半開きにさせていた目を「ん?」と進藤に向けた。そして微かにニコッと微笑みながら、「だってタっくんのお店の人でしょ。私、途中でわかっちゃった」と白い歯を見せながら笑った。

(タっくん?……)
進藤は眉をひそめた。

「今夜はクリスマスだから、どうせタっくんは忙しいんでしょ。だからあなたがヘルプで来たんだよね。もう、タっくんったら、クリスマスは一緒にいようね、なんて言ってたくせに……」

香奈恵は戯けながらプッと頬を膨らませそう言った。

ヘルプという言葉で、進藤はなんとなく状況が読めた。
(タっくんというのはきっとホストかなんかだろう。しかし、いくら図々しいホストといっても、まさか旦那や子供がいる自宅に来るだろうか?)
そんな疑問が湧いた進藤は、膣に舌を這わせながらカマを掛けてみた。
「……そうなんです。僕、働き始めたばかりで、まだヘルプしかできないんです……奥さんは、よくお店に来られるんですか?」
すると香奈恵は「お店?」と首を傾げた。
「出張ホストでもお店っていうの? なんか変」
そうクスクス笑い出すと、香奈恵の膣内が腹筋と連動してヒクヒクと動いた。

出張ホストという言葉に進藤は絶望を感じた。自宅に出張ホストを呼ぶなど、かなりのツワモノだと思った。ましてそこには旦那も子供もいるのだ。そんな場所に出張ホストの小僧を呼んで堂々と乳くり合うなど、常識では考えられない事である。
(こんな腐れ主婦を、三十五年間の最後に選ぶなんて……)
この世から抹消されるというリスクを考えると、あまりにも残酷な選択だったと進藤は心の底から悔んだ。が、しかし、だからといって途中でやめるわけにはいかなかった。ここまで来たのなら、思う存分楽しまなければ損だと思った進藤は、ゆっくりと立ち上がると香奈恵を背後から抱いた。そしてそのままドロドロに濡れた膣にペニスを滑り込ませたのだった。

「凄い! タっくんのより全然大っきいよぅ!」
香奈恵の細い腰が弓なりに撓った。大きな尻が進藤の下半身でグリグリと動き回り、豊満な胸がタプタプと揺れた。
尻の谷間をヌポヌポと行ったり来たりするペニスを見つめながら、進藤は久々のオマンコの感触に脳を蕩けさせた。香奈恵の膣の具合は相当な締りだった。ザラザラとした膣壁が亀頭にまとわりつき、子宮の壁をコンコンと突いていると、ザラザラ壁がペニス全体を激しく締め付けるのだ。

進藤は香奈恵の尻と乳を同時に揉みしだきながら腰を振り、その耳元にソッと囁いた。
「ところで、奥さんはいつもタっくんとどんなプレイをしてるんですか?」
すると香奈恵は「ふん、ふん」と子犬のように鼻を鳴らしながら、「もう、知ってる癖に」と怪しく笑った。
「こんなのを持って来たって事は、タっくんから私がマゾだって事聞いてたんでしょ? うふふふふ……だから最初は強姦プレイで攻めて来たんだよね」
香奈恵は首にぶら下がる鎖をジャラジャラと鳴らしながら、進藤の肩に頭を寝かせた。そしてハァハァと荒い息を吐きながら進藤の頬に唇を押しあてると、「ねぇ、乱暴にしてね……」と囁き、進藤の口の中に真っ赤な舌を滑り込ませて来たのだった。

やはりこの女は殺すべきだ……。
そう思いながら、進藤は香奈恵の首輪を引っ張りながら奥の客間へと向かった。
客間にはシングルベッドが置いてあった。
(客間とか言いながら、どうせこの部屋はタっくんとかいう出張ホストとのプレイルームなんだろう……)
そう苦々しく思いながら、香奈恵を乱暴にベッドの上に押し倒した。
「入れて、レイプして、ぐちゃぐちゃに犯して」
目をうつろにさせた香奈恵は、自ら股をM字に開きながら、まるで魔薬を欲しがる中毒者のように喘いだ。

そんな香奈恵の淫らな声と共に、進藤の脳裏にダスティン・ホフマンを見て目頭を熱くさせていた旦那が浮かんだ。そして、あの旦那は妻がこの部屋で浮気している事を知っていて、わざとDVDに夢中になっているふりをしているのではないだろうかとふと思った。

そんな旦那を哀れに思いながら、進藤は香奈恵の細い脚を両腕に抱えた。
「僕のペニスはそんなに大きいかい?」
濡れたワレメに亀頭をヌルヌルと擦り付けながら、香奈恵の小さな顔を覗き込んだ。
「うん……凄いよ……太いし、長いし、それに亀頭がボールみたいに固い……」
香奈恵は細い喉をヒクヒクさせながら答えた。クリトリスに亀頭を押し付けるとそんな喉を「ひっ!」と引き攣らせるのがニワトリのようで可笑しかった。
「じゃあ入れるから見ててごらん……」
そう言いながら首輪を引っ張ると、香奈恵の顔がムクリと起き上がった。
「あぁぁぁん……やだぁ……恥ずかしい……」
M願望の香奈恵は、わざとらしくそう恥ずかしがりながらも、しかしその目は結合部分をしっかりと捕らえていた。

亀頭だけがヌルッと滑り込んだ。香奈恵は「はんっ!」と奇声をあげながら全身を震わせ、「奥まで入れて下さい!」と敬語で叫びながら自ら腰をコキコキと振り始めた。
「キミは旦那さんをどう思ってるんだ……こんな事をしてて旦那さんに悪いと思わないのか?」
進藤は亀頭だけをピストンさせながら、いきなり説教を始めた。
「思います!……だから早く奥まで入れて!」
「じゃあ子供達はどうなんだ……同じ屋根の下でこんな事をしていて子供達が可哀想だとは思わないのか?」
今度は、亀頭さえもヌポッと抜き、クリトリスを竿でズリズリと擦りながら聞いた。
「やだぁ! 入れて! お願い! もう我慢できないの!」
「キミは、誰にでもヤらせる変態肉便器なんだろ?」
そう香奈恵を見下ろしながら、大きな乳を乱暴に鷲掴みした。
「そうです、私は変態です、誰にでも中出しさせる肉便器です、だから、だからお願い、早く」
「殺してやろうか?」
進藤は冷静に香奈恵を見つめながら呟いた。
「殺して! お願い! 早く殺して!」
香奈恵は進藤の背中に爪を立てながら、カエルのように開いた股をグイグイと押し付けて来た。
「じゃあ殺してやるよ」
進藤はベッドの下に置いていたサンタの手袋を手にすると、それを右手に嵌めながら一気にペニスを押し込んだ。
小さな膣が大きな異物にメリメリと悲鳴をあげた。香奈恵は入れられた瞬間に小便をビュッと飛ばした。そんな香奈恵の洗礼を顔面に受けながら、進藤は手袋をはめた右手を香奈恵の顔にソッと向けたのだった。


              


ふと気が付くと、目の前に妻の枕が転がっていた。いつの間に寝てしまったんだろうと意識を朦朧としながら正和は寝返りを打った。間接照明が仄かに照らす薄暗い天井が、夜の海のように波打っていた。
大好きな『新しい人生のはじめかた』を見ながら寝てしまうなんて自分らしくないと思った。かれこれこのDVDを十回は見ている。その十回とも同じシーンで泣き、同じシーンで感動し、そして同じシーンでダスティン・ホフマンのような男になりたいと思った。

そんな『新しい人生のはじめかた』を見ながら寝てしまうなんて、今まで一度もなかった事だ。
時計を見た。時刻は既に深夜二時を回っていた。もう一度妻の枕を見た。布団に手をあてるとそこに妻の温もりは無く、ひんやりとした冷たさだけが淋しく伝わって来た。
正和は急に不安を覚えた。確かに妻はいつもベッドに入るのは遅い。しかしこんなに遅くなった事は今までに一度もなく、正和は妻に何かあったのではないだろうかと胸騒ぎを覚えた。

ソッとベッドから抜け出ると、ガウンを羽織って一階に下りた。静まり返ったリビングは散らかしっぱなしで、床には妻の衣類が散乱していた。
それを見て怖気付いた正和は、「香奈恵……」と情けない声を出した。
膝がガクガクと震えた。あまりの恐怖と不安から目眩を感じ、今にも崩れ落ちそうな足取りで妻を捜し回った。
廊下の奥にある客間ドアが少しだけ開いているのが見えた。いつもは閉まったままのドアがこんな真夜中に開いているのは明らかに不審だった。

「香奈恵……」
怖くて客間には近づけず、廊下からドアに向かって呼びかけた。返事はなく、静まり返った廊下には自分の心臓の音だけが響いていた。

「香奈恵!」
今度は叫んでみた。喉がカラカラに渇いていた為、叫んだ瞬間に猛烈に咽せ返し、激しい咳が廊下に響き渡った。
咳けば咳くほど喉はイガイガを増し、喉の裏側をカミソリで切り刻まれるような痛みが走った。
すると、そんな咳の合間に、微かに香奈恵の声が聞こえた気がした。
正和は必死に咳を止め息を潜めた。

「あなた……」

その声は浴室の方から聞こえて来た。香奈恵のその声は泣いているようだった。
香奈恵の声を聞いた瞬間、咳が止まった。正和はフローリングの廊下に裸足をペタペタと音立てながら浴室へと走った。脱衣場のドアを開けると、香奈恵の泣き声が激しくなった。
「香奈恵!」と叫びながら浴室のドアをおもいきり開いた。
「あなた!」と号泣する全裸の香奈恵がバスタブの前にしゃがんでいた。
正和は目を疑った。確かにそこにしゃがんでいるのは香奈恵に間違いないが、しかしその姿は香奈恵ではなかった。それはまさに豚そのものだった。


              


シャンシャンシャンシャン……
渋谷の夜空に鈴の音が鳴り響いていた。三十五年間、毎年クリスマスになるとこの鈴の音を渋谷の街に鳴らし続けて来た。
四十才も若返った進藤は、高度二百メートルの上空で橇を止めると渋谷の夜景を見下ろした。
(あれで良かったんだろうか………)
香奈恵の美しかった頃の顔を思い浮かべながらそう思った。
あの容姿ならもう浮気は出来ないだろう。香奈恵が浮気さえしなければあの家族はきっと幸せになれるはずだ。
進藤はそう自分を正当化しながら、(あれで良かったんだ………)と強引に頷いた。
最初は旦那や子供達は驚くだろうが、しかしあの優しい旦那なら、あんな香奈恵でもきっと温かく受け入れてくれるはずだ。そう、スクリーンの中のダスティン・ホフマンのように。

あと数時間で夜が明ける。しかしクリスマスの渋谷の街は益々活気を増し、スクランブル交差点には人の波が大きなうねりとなって行き交っていた。
センター街の前で、楽しそうにはしゃぎまくる若者達を見下ろしながら、果たして今のこの幸せな世の中にサンタクロースは必要なのだろうかとふと思った。

そう思った時、進藤の前にキラキラと小さな星が舞い、どこからともなく冬の妖精が現れた。
「遅かったね」
進藤は冬の妖精に優しく微笑みながらそう呟いた。
冬の妖精は金色の羽をパタパタと羽ばたかせながら淋しそうに進藤の顔を見つめた。
別れを告げるかのように三十五年間連れ添ったトナカイがポロポロとうんこを洩らした。
渋谷の夜空に真っ白な閃光が走った。

(サンタクロースの苦悩と決断・完)



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