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夏休みタイトル6




いつものようにおっちゃんの家に忍び込んだ僕は、裏の板金工場のサーチライトに照らされた襖を見つめながら、大きく息を吐いた。

(この襖の向こうに……瞳ちゃんのパンツがある……)

胸をドキドキさせながら襖に手を掛けた。
パンツが臭かったらどうしよう、という不安に押し潰されながらも、一方では、瞳ちゃんのモノだったら臭くてもイイ、という変質者的な感情に包まれながら、ズズズッと襖を開けたのだった。

強烈なカビ臭さと共に、サーチライトの灯りに照らされた大量のエロ本が姿を現した。
エロ本は昨夜と同じ状態だった。昨夜、一番上に置いた『週間エロトピア』がそのままの形で残っている。
エロ本には一切手を触れず、目玉だけをギョロギョロと動かしながら瞳ちゃんのパンツを探した。
押入れの隅で無造作に転がっているビニール袋を発見した。サーチライトに照らされたそれは光が反射してテラテラと輝いていた。

そのビニール袋の中には、くしゃくしゃに丸められた白い小さな布切れが押し込められていた。
白い布には赤い小さなハートの模様が点々とプリントされていた。
見るからに女物のパンツだった。という事は、これは瞳ちゃんのパンツに違いない。

ビニール袋の中から萎れたパンツをソッと摘まみ上げた。
僕のチンコは既にはち切れんばかりに大きくなっている。

パンツのお尻の部分には、可愛いピンク色で『LOVE』とプリントされていた。
その部分を頬擦りしながらズボンの上からチンコを握った。
頬擦りするパンツからは微かに洗濯洗剤の香りが漂ってきた。

いよいよパンツを開いて中身を見た。
サーチライトの灯りに照らされた中心部には、修司が言っていた通りの黄色いカレー汁がべっちょりと付着していた。
しかし、それはウンコではなかった。パンツのこの部分は肛門ではなく明らかにアソコなのだ。

パンツを畳の上に広げ、黄色いシミの付いている裏側を表に向けた。
指先でソッと触れてみると、その黄色いシミは思った以上にカリカリに固まっていた。

(これが、この部分が、瞳ちゃんのアソコにピッタリとくっ付いていたんだな……)

僕は瞳ちゃんの妖精のような笑顔を思い浮かべながら、黄色いシミにソッと鼻を近付けた。
頭がキーン!と来る強烈な刺激が僕の鼻孔を襲った。その黄色いシミは凄まじく臭かった。

(だから俺、姉ちゃんが部活の練習でヘトヘトになって帰って来た時を見計らって盗んでやったんだ)

そんな修司の声が甦ってきた。
汗と小便とそして恥垢のニオイにまみれた瞳ちゃんのパンツ。
そのニオイを敢えて例えるなら、それは間違いなく『よっちゃんイカ』そのものだった。

それでも僕はその強烈なニオイをクンクンと嗅いだ。
この強烈なニオイは瞳ちゃんのアソコの匂いなんだと思うと、脳味噌がクラクラする程に興奮した。

畳の上にうつ伏せになりながら、広げたパンツの匂いを嗅ぐ僕は、ズボンからチンコを捻り出してはシコシコとシゴいた。
舐めてみたい。瞳ちゃんのアソコをペロペロと舐めてみたい。
そう思う僕は、チンコをシゴキながら恐る恐る舌を伸ばす。

うつ伏せになりながら震える舌を黄色いシミに伸ばしていく僕は、昨夜『野生の王国』で見たコモドオオトカゲのようだった。その部分に舌が近付くにつれ、僕の舌は恐怖と興奮でブルブルと震えた。
カリカリに固まった黄色いシミが舌先にチョンっと触れた。
ほんの少しだけ触れただけなのに、たちまち口内には塩っぱさが広がった。
かなり塩分の濃いカレー汁だな、と思いながら更に舌を伸ばしていくと、不意に勝手口のドアがガタンっと開く音が聞こえた。

(うわっ!)と飛び起きた僕は、アタフタになりながらもパンツとビニール袋を握った。

勝手口から「暗いから気を付けろよ」というおっちゃんの声と、ミシミシと軋む足音が聞こえてきた。
誰かお客さんがいるらしい。そう焦った僕は、無我夢中で押し入れの中に潜り込んだ。
そしてエロ本の山に横たわりながら音を立てないように、静かに襖を閉めたのだった。

ドカドカとやって来たおっちゃんは「散らかってるけど我慢してね」と言いながら、座敷の電気をカチカチっとつけた。
襖の向こう側が明るくなるのがわかった。
真っ暗闇の押し入れの中に、一本の光線が浮かび上がっていた。
それは、部屋の灯りが襖の穴から差し込んでいる光りだった。

凄まじい恐怖の中、あの穴を覗いてみたいという、危ない好奇心が芽生えた。
慎重に体を起こしながら、その小さな穴を恐る恐る覗き込む。

ニヤニヤと笑いながら煙草を吸っているおっちゃんの顔が見えた。
その隣りには赤いTシャツを着た若い女がいた。
赤いTシャツの女は、紙袋の中から何かを取り出している様子で、僕からは背中しか見えなかった。

しかし、顔は見えなかったが、女のその聖子ちゃんカットの髪型はどこか見覚えがあった。
誰だろう……誰だっけ……と首を傾げていると、不意に女がクルッと振り向いた。

その女は、まさしく僕のお姉ちゃんだった……

(つづく)

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