夏休み子供劇場5・瞳ちゃんのパンツ
2012/05/31 Thu 00:13
修司の姉である瞳ちゃんは中学二年生だった。
家が近所という事や、親同士が仲が良かったという事から、修司と瞳ちゃんは幼稚園の頃から僕の家に遊びに来ていた。
瞳ちゃんが小学生の頃までは別に何とも思わなかったが、しかし、瞳ちゃんが中学に入学した頃から、僕は瞳ちゃんを違う視点で意識するようになった。
それは、中学生になった瞳ちゃんの身体が急速に変化したからだった。
小学生の頃までペチャンコだった胸は急にプクッと膨れ上がり、それまでどっしりとしていた腰や足が急に細くなっては品やかなラインを描き始めた。
お尻なんてプリプリしており、ブルマを履いている時など尻のワレメがくっきりと浮かび上がる程に丸く突き出していた。
そんな瞳ちゃんは今でも僕の家によく遊びに来た。
高校に通う僕のお姉ちゃんと仲が良く、いつも僕の家に来ては明星や平凡を片っ端から広げ、『たのきんトリオ』の話題で盛上がっていた。
僕はそんな瞳ちゃんの白い八重歯を思い出し胸をキュンとさせた。
「瞳ちゃんのそのパンツって……洗濯してないやつなのか……」
ドキドキしながらそう呟くと、修司はプラモデルの箱の中を覗き込みながら「当たり前じゃん」と答えた。
「洗濯したパンツなんて価値がないじゃん。そんなのただのハンカチだよ。おっちゃんはさ、いっぱい汚れたパンツじゃないとダメだって言ったんだ。だから俺、姉ちゃんが部活の練習でヘトヘトになって帰って来た時を見計らって盗んでやったんだ」
修司はそう呟きながら再びブラック魔王の如く「へへへへ」と悪びれ、「カレーみたいなモノがいっぱい付いてたよ」とポツリと呟いた。
部活の練習でヘトヘトに疲れた瞳ちゃんのパンツ。
カレーみたいなモノがいっぱい付いてる瞳ちゃんのパンツ。
そんな瞳ちゃんのパンツをおっちゃんはどうしたんだろう。
僕は、あの板金工場のサーチライトに照らされた部屋で、瞳ちゃんのパンツに付いたカレーをクンクンと嗅いだりペロペロと舐めるおっちゃんの姿を思い浮かべた。
すぐさまその猟奇的なシーンがリアルに頭に浮かび上がり、僕は背筋をゾッとさせると共に股間をムラッと熱くさせた。
「でさぁ、達也にお願いがあるんだよな……」
修司はそう言いながら、突然僕に向かって手を合わせた。
「悪りぃけど、コレ、しばらくの間預かってもらえないかなぁ。ほら、俺は弟と同じ部屋だろ、こんなの弟に見つかったらすぐに母ちゃんにチクられちゃうよ。だから、ね、お願い」
両手を合わせた修司が大袈裟に僕を拝んでいると、いきなり部屋のドアが開いた。
「ねぇ、達也ぁ」
ドアの隙間からお姉ちゃんが顔を出した。
僕と修司は瞬間的にプラモデルの箱をベッドの下に押し込んだ。
一瞬、そんな僕達の慌てた様子を不審そうに見ていたお姉ちゃんだったが、しかし興味なさそうにその件を無視すると、気怠そうに「私のラジカセ返してよ」と呟いた。
そんなお姉ちゃんの後に瞳ちゃんがいた。
瞳ちゃんは僕の顔を見てニコッと笑うと、修司に向かって「五時までに帰らなくちゃダメよ」とキッと睨んだ。
そんな瞳ちゃんは長い髪をうさぎの耳のように両サイドに束ねていた。
小さな顔に大きな目。その大きな目のクリクリとした黒目は、森の小動物のようだった。
瞳ちゃんを見つめる僕の視線は次第に下半身へと下りていく。
瞳ちゃんは体育用の赤いジャージのズボンを履いていた。
その股間には丸みを帯びた恥骨がもっこりと盛上がり、その中心には微かに縦線が浮かび上がっているように思えた。
(アソコから滲み出たカレー汁を、おっちゃんは……)
そう思った瞬間、僕のチンコがピクンッと反応した。
呆然と立ちすくんでいる僕を押し退けながら、部屋にドカドカと入ってきたお姉ちゃんは、ベッドの横のカラーボックスの上に置いてあった黄色いラジカセを鷲掴みにした。
「瞳ちゃん、行こっ」と廊下に消えて行くお姉ちゃん。
「うん」と微笑みながらお姉ちゃんの後に付いて行く瞳ちゃん。
二人の後ろ姿を見つめながら立ちすくんでいた僕に、修司は「達也、今、俺の姉ちゃんのパンツを想像してただろ」とニヤニヤ笑った。
「してねぇよ……」と慌てて股間を隠す僕に、修司はニヤニヤしながら言葉を続けた。
「達也もさぁ、姉ちゃんのパンツ売ったらどうだよ。達也の姉ちゃん綺麗だから、もしかしたらゴールド・ガンダムと交換してもらえるかも知んねぇぞ」
確かにゴールド・ガンダムは魅力だった。
ゴールド・ガンダムというのは全身が金色に塗られたプレミア付きのガンダムだった。
それはおっちゃんの店でも最も高く一万二千円もした。
しかし、僕はそんな達也の言葉を無視しながら窓の外を見ていた。
巨大な入道雲が真っ青な天に向かってモクモクと聳えているのが見えた。
僕は、そんな入道雲に一直線の飛行機雲が重なり合うのを見た。
その瞬間、今夜もまたおっちゃんの家に忍び込もうと決めたのだった。
(つづく)
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