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コブラ5




               13


 五号室の鍵を静かに開けると、ベッドの上でジッと天井を見つめていたナメクジ女が目玉だけをゆっくりと僕に向けて来た。
 深夜2時。患者達は睡眠剤を投与されぐったりと眠りについている。しかし僕は、あえてこの五号室のナメクジ女には睡眠剤を与えなかった。このナメクジ女は睡眠剤などなくても暴れたり騒いだりすることはない。そう、この女は、自分がナメクジだという妄想に取り憑かれているからだ。

 番号16779番。
 このナメクジ女にはもはや人間としての名前はない。年齢32才。重度の統合失調症で、彼女は十年間、幻覚と妄想の中で生きている。

 彼女がこの特Bに隔離されたのは、職員に対する暴行が原因だった。
 2年前、彼女がまだ本棟で普通の治療を受けている時、たまたま食堂のテレビにライオンがハンターに襲いかかるシーンが映し出された。それを真剣に見ていた見ていた彼女はその2日後の深夜いきなりライオンと化したらしい。そう、彼女は妄想の中でカメレオンのように変身するため、大人しいナメクジにもなれば凶暴な野獣にもなれるのである。
 真夜中ライオンに変身した彼女は、アドゥ~!アドゥ~!と奇怪な雄叫び(彼女にはライオンのガオォォォ!っという声がアドゥ~!に聞こえたらしい)をあげては部屋中を四つん這いで走り回り、慌てて部屋に駆けつけた二十代の看護婦に襲いかかり、いきなり喉元に噛みついた。命に別状はなかったものの、しかし看護婦の首には今でもクッキリと歯形が残っているという。

 それが原因でナメクジ女はこの特Bに隔離されるようになったのだが、他にもこのナメクジ女は、同じく食堂のテレビでアンパンマンを見ている最中、いきなりテレビに出ていた「てんどんまん」(どんぶりまんトリオの一人で、アンパンマンの友人。『♪てんてんどんどんてんどんどん♪』と歌いながら箸で頭の丼のふちを叩きつつ出てくる、語尾に『ざんす』をつけるダメキャラ)にいきなり変身してしまい、半年近く「てんどんまん」のまま暮らしていたらしい。なぜ主役のアンパンマンではなくよりによって「てんどんまん」なのかは現在彼女の主治医が調査中らしいが、しかし「てんどんまん」は他人に危害を加えなかったから全然楽でした、とその主治医は後に証言している。この他にも、見舞客が持っていた携帯の着メロを聞いたことによりナゼかロボットに変身してしまったとか、トイレから出てくるなりいきなり秋田弁になっていたりとか、そして大好物の白身魚のフライに感情移入し過ぎて突然白身魚のフライに変身してはピクリとも動かなくなってしまったなど、彼女の変身パターンはまだ他にも色々あるらしいが、どちらにせよかなりの重症者である。

 前園さんは、このナメクジ女なら素人でも安心して楽しめるからという理由で、そんなナメクジ女を僕に薦めてくれた。そう、このナメクジ女が僕が最初に虐待をする患者の記念すべき第一号になったのだった。
 そんな五号室のベッドの上のナメクジ女は、身動きひとつせず大きな目玉だけをギョロギョロと動かしながら、深夜居室にやって来た僕の唯ならぬ気配を肌で感じ取っていた。部屋には異様な匂いが立ちこめ、床に開いたトイレの穴の横にはプツリと切れたウンコの欠片がボトリと転がっていた。
 僕は慌てて白衣からマスクを取り出しそれを装着した。
 前園さん曰く、「馴れて来るとこの悪臭が堪らないんだよ」、らしいが、しかしド素人の僕にはまだまだこの匂いはただのウンコ臭にしか感じない。

 僕は、ベッドでギョロギョロと目玉だけを動かしているナメクジ女の顔を覗き込んだ。そのギョロギョロと動く目玉はまるで本物のナメクジの触覚のようでとても不気味だ。
 しかし顔は決してブスではない。綺麗に髪を解いで化粧をしたらそれなりに普通の女だと思う。スタイルだって悪くない。胸も大きく、肌も白く透き通るように美しい。
 ただ、長年の運動不足からか余分な脂肪が身体中を覆い、それは一見、豚のように見えなくもないが、しかし普通に見れば、どこにでもいるポッチャリ型と呼べなくもないことはない。

「おい・・・眠れないのか?・・・」

 僕は彼女の顔を覗き込みながら、まるで子犬に話し掛けるようにそう呟いた。
 すると彼女は返事をすることもなく、ゆっくりゆっくり目玉を移動させ、なぜか僕の頭をジッと見つめている。

「ちょっと呼吸を調べるからね・・・・」

 僕はデタラメにそう言いながら彼女の院内着の胸の部分にソッと手を伸ばそうとした。しかし、再び彼女の目玉がギロッと動き始め僕は慌てて手を引っ込めてしまう。やはり、たとえ相手が精神異常者であろうと、こうも堂々と痴漢行為をするというのはなかなか勇気のいるものだ。
 僕は大きく深呼吸しながら辺りを見回す。
 大丈夫だ、この病棟には僕以外の正常者は誰もいない。他の患者達は、みんな強力な催眠剤で意識不明の状態なのだ、大丈夫だ、うん。

 僕は自分をそう勇気づけながら、もう一度彼女の大きな胸にソッと手を差し伸べた。
 ゴワゴワとした院内着の下から、ノーブラの乳房のグニャリとした感触が伝わって来た。
 胸を揉まれる彼女は、目玉をギョロっとしながらジッと僕の目をただジッと見つめている。

「ちょっと呼吸が乱れてるから・・・調べてみようね・・・・」

 僕はゴクリと唾を飲み込みながら彼女の院内着の帯を静かに解いた。
 帯を解いた院内着をゆっくりと左右に開くと、真っ白な彼女の肌と共にブヨブヨの巨乳が現れた。乳肉自体は白くてポヨポヨしているが、しかし乳首は干しぶどうのようにドス黒かった。
 僕はそんな彼女の巨乳を左手に優しく包み込んだ。それはまったく張りが無く、それはまるで巨大なクラゲを触っているような感覚だ。

 そんな巨乳をグニョグニョと弄っていても、彼女はなんの反応も見せずギョロギョロと目玉を動かしているだけだった為、僕は真っ黒な乳首を指先でコロコロと転がしてみた。
 すると突然彼女の呼吸が速くなり、微かに鼻息が荒くなる。
 たとえナメクジでもやっぱり感じるんだ・・・と、僕はそんな呼吸を荒くさせる彼女を見下ろしながら不思議にそう思った。

 そんなナメクジな彼女は白い大きなパンツを履いていた。パンツの骨盤部分には「16779」という彼女の番号がマジックで書かれ、洗濯のしすぎなのかそれがボンヤリと滲んでいる。
 僕は彼女の大きな目をジッと見つめたまま、乳房を揉んでいた手をゆっくりと下に移動させた。そしてモッコリと盛上がった恥骨を、パンティーの上からスリスリと指で擦ると、いきなり彼女は反応し、驚いたような目をしてジッと僕を見つめていた。

「せ、生理はいつ来ましたか?・・・・」

 僕は彼女の股間をスリスリしながら、彼女が答えないと知りながらも一応そう聞く。そんな僕の心のどこかには、もし、彼女が何らかの理由でふと正常に戻ったらという恐怖があるのだ。
 僕は、何も答えない彼女を見下ろしながら、ピッタリと閉じている太ももの間に指を押し込んだ。
 ムチムチの太ももが僕の指を包み込む。僕はそんな太ももの中で指を「く」の字に曲げながらパンティーのクロッチ部分に指を押し付けた。そして、股間の指をグネグネと動かしながら、もう片方の手で彼女のブヨブヨの乳房を弄ったのだった。

 これはかなり興奮させられた。

 以前、一般病院に勤務している時に交通事故で意識不明の女子高生の体をこっそり悪戯し、少女のアソコを舐めまくると言う鬼畜な行為をしては激しく猛烈に興奮したことがあったが、しかし、これに比べたらあんなものは比ではないくらいに興奮させられた。
 そう、例え無抵抗な相手を悪戯するにしても、やはり、相手の意識があるのとないのとでは全然違うのだ。
 あの時の、救急治療室の女子高生のアソコは、ただひたすらに強烈なクレゾールのニオイに溢れ、そしてアソコに指を入れても、ただひたすら酸素ボンベの音が響いているだけだった。
 しかしこいつは違う。
 こいつの股間を弄った指からは強烈な恥垢の香りが溢れ、そして乳首をコリコリッと転がす度に家畜のようにスースーと鼻息を荒くするのだ。
 しかもこいつはそんな僕の悪戯行為をジッと見つめているのである。

 そんな無抵抗な精神異常者に大興奮した僕は、「ちょっと中を調べてみましょうね・・・」と彼女に囁き掛けながら、マジックのインクが滲んだ16779番と書かれるパンツに手を掛けた。
 スルッと下ろすとモッコリと膨らんだ恥骨部分がペロンと現れた。そこにベタリと萎びる陰毛は、まるで岩のりのようだ。
 更にパンツを下ろそうとすると、いきなり彼女に変化が現れた。
「うぅぅん・・・・」
 なんと、そう呻きながら腰をくねらす彼女は、まるで子供がぐずるかのように眉間にシワを寄せながら、パンツが下ろされるのをモジモジと嫌がっているのである。
 この野郎、ナメクジのくせしやがって!
 僕は一瞬そうムカッと来たが、しかしそうやって嫌がられるのもこれまた楽しいものである。
 もしこれ以上嫌がったら、白衣のポケットに忍ばせているスタンガンでさっそく脅してみようと思いながら僕はワクワクした。
 しかし彼女は軽く腰をモジモジさせるだけで、それ以上に暴れることはなかった。僕は、太ももに挟まっているパンツをおもいきり上に引っ張り、パンツのクロッチをピーンと広げた状態にするとそこに付着している魑魅魍魎とした「汚れ」を覗き込んだ。

「凄いオリモノだね・・・臭いもかなりキツい・・・まさしく牝豚のオマンコのような凄まじい臭いですよ・・・これは性病の検査もしておいたほうがいいかも知れないなぁ・・・・」

 そんな卑猥な言葉を話し掛けれるのも精神異常者ならではの醍醐味のひとつである。こんな言葉は一般人には恥ずかしくてなかなか言えないのである。
 僕は、そんな言葉を彼女の耳元にアレコレと囁きながら、左手で彼女の汚れたパンツをズルズルと下ろし始めると、もう片方の手で自分のズボンのベルトを外した。

 天井に向かってピーンと聳えるペニスが蛍光灯に照らされた。ギンギンに勃起しているペニスの先は、既に我慢汁でネトネトに輝いている。
 僕はそんなペニスをシコシコとシゴきながら、それを彼女の顔の前に突き出した。
 彼女はギョロギョロと目玉を動かしながら、そんな僕の手の動きを見ている。
 女の前でオナニーをするのは生まれて初めてだった。
 以前の病院では、小児病棟に入院している幼女に何度か勃起したペニスを見せたことがあったが、しかしこうしてシコシコとオナニーをしているのを見せるのはコレが初めてだ。

「ほら・・・よく見て・・・大っきいでしょ・・・・」

 興奮した僕はウルウルした声でそう呟く。
 因みに、僕のペニスはボッキ時でもわずか八センチ足らずで決して大きくはなくいやすこぶる短小だ。しかもその亀頭は紀州梅のように弱々しく、日頃は皮を被っているせいか皮が剥かれた時のそれは特選黒毛和牛の特上霜降り肉のように鮮明なピンク色をしていた。

 ハッキリ言って僕のペニスは最悪だ。
 短小で包茎でそれにいつも臭い。
 そんな下半身に自信が無い僕だからこそ、意識不明の患者や幼児や精神異常者といった無抵抗な女性にしか、僕は性的興奮を感じられないのだ。
 僕はそんな悲惨なペニスを彼女の目の前でシコシコとシゴきながら、わざとらしく「あぁぁぁあぁぁぁ」っと女のように喘いでみせる。

「やめて・・・見ないでお願い・・・恥ずかしい・・・・」

 わざわざ精神異常者に見せつけておいてそれはないだろうと自分でもツッコミを入れたくなるようなバカなコメントだったが、しかしこの時の僕は、そんな自分の醜態を他人に見られるという一風変わった刺激に包まれ、極度の性的興奮状態に陥っていた。だからこの時の僕は意味不明な言動だらけなのである。
 そんな僕を彼女はギョロギョロとした目で見つめながら、太ももにズラされたパンツを必死に履こうとしていた。

 そんな彼女のパンツを足首からスポッと抜き取り、彼女に自分自身の「汚れ」を見せつけてやった。
「どうしてこんなにパンツを汚すんですか!・・・・ダメでしょ、ここをこんなに汚しちゃ!」
 まるでお母さんが子供に叱るかのようにそう叱ってみると、彼女はまるで幼女のように怯えた表情になった。
 そんなノリの良い彼女に嬉しくなった僕は「こんなバッチイ子は月に変わってお仕置きよ!」と叫びながらそんな彼女の頬を引っ叩いてみた。

 パチッという乾いた音が響き、その音と同時に彼女は「うぅぅぅ」と怯えた。

 その彼女の脅えが更に僕の欲情を注いだ。ベッドの足下で丸まっていた掛け布団を床に放り投げ、ペニスを突き出した僕はベッドの上に飛び乗る。
 彼女は、今から何をされるのかわかったらしく、ゆっくりとした動作でベッドから逃げようとするが、僕は逃げようとするそんな彼女の尻や太ももを「お仕置きするざますよ!」となぜかおそ松くんのイヤミのような口調でペシペシと叩くと、彼女は「やめで、やめで」と唸りながら泣きそうな顔で少しばかりの抵抗を試みたのだった。

 そんな感じで彼女を今以上に更に精神的に追い詰めてやった僕は、脅える彼女をベッドの上で仰向けに寝かせ、彼女の開いた股の中に潜り込みながら素早くコンドームを装着した。
 彼女の穴が濡れているかどうかはこの際関係ない。っというか、さすがにこのプンプンと悪臭が漂う彼女のマンコを直に触る気にはなれず、そこが今どうなっているか調べることはできないのだ。
 しかし、コンドームを装着したペニスでソコをグニグニと弄ってみると、彼女のソコはそれなりに湿っていた。それが愛液なのか、はたまた小便の残り汁なのかオリモノなのかはわからないが、とにかく僕はペニスが入りさえすればなんだっていいのだ。

 彼女のブヨブヨとした両足を抱えると、ふいに彼女が「いやだ・・・」っと声を発した。そんな嫌がる精神異常者に僕は異様な興奮に包まれていった。
 グイッ!と腰を突き上げると、ペニスはいとも簡単にヌルッと挿入した。このヌルヌル感はオリモノや小便の残り汁ではないことは確かだ。そう、この精神異常者は、僕に悪戯されながらも性的な分泌物をダラダラと垂れ流していたのだ。
 僕はヌルヌルとペニスを出し入れしながら、「うぅぅぅぅ」っと唸っている彼女の巨乳を鷲掴みにした。
 彼女の穴の具合は、まったくと言っていい程にシマリはなく、ただダランと萎れた穴にペニスを突き刺しているような感覚だったが、しかし、始めてこのような残酷なセックスをした僕にとっては、それでも十分に感じさせてくれた。

「あぐぅぅぅ!」

 腰を早くさせると彼女が猛獣のような声で喘いだ。ナメクジのくせに、どうやら感じているらしい。
 僕は腕立て伏せのような体勢になりそのまま腰をカクカクと動かした。さすがに、異臭を放つ彼女の身体を抱く気にはなれず、体を浮かせたまま腰を高速させたのだ。

「あべぶ・・・あべぶ・・・あべぶ・・・」

 まるで北斗の拳のような声で喘ぐナメクジ女。そんなナメクジ女を僕は見下ろしながら、今度、この女にAVを見せてみようとふと思ったりする。AVに刺激された彼女は、もしかしたらナメクジ女から過激なAV女優に変身するかも知れず、それはなかなかおもしろそうだとワクワクする。
 そんな事をあれこれ考えながら、そのユルユルのオマンコに短小ペニスをヌルヌルと摩擦させる僕は、そろそろ射精の時間が近付いて来た。

 そんな僕は彼女にペッ!と唾を吐きかけたり、陰毛を毟り取ったりとしながら激しく腰を振る。
 こんなナメクジ女、もっともっと虐めて虐めて虐めまくって、ぐちゃぐちゃになった所におもいきり射精したいと思うが、しかし僕の引き出しの中にはそんな本格的なSM的な引き出しは少なく、どうしても中学生のイジメ的な幼稚なレベルになってしまう。
 他になんか凄い事はないのかよ!と、イキそうな僕は焦りながら考える。すると床にポッカリと開いた便器の穴の横にドテッと転がっている大きなウンチがふと目に飛び込んできた。

(これだ!)と思った僕は、いきなりペニスを抜くと慌ててベッドから飛び降り、彼女のパンツを手袋代わりにしてその半分にドテッと千切れた巨大ウンコをグニュッと握った。

「さぁ・・・今からキミはジューサー・ミキサーに変身するんだぞ・・・・」

 そう言いながら彼女の顔にソレを近づけると、さすがのナメクジ女も糞だけは嫌なのか「うぅぅ」と唸りながら顔を背けた。
「だめ!世の中はリサイクルの時代なのよ!エコよエコ!自分でこいたウンチはまた自分の体の中に返してあげなくちゃダメなのよ!」
 僕はヒステリックにそう叫びながら、ソレを彼女の顔にグチャ!と押し付けた。
 が、しかし、そうしてみて初めて気付いたのだが、それがどうした?という話しである。僕はSMチックにスカトロジーな状況で射精したいと思っていたのだが、しかし、ウンコの付いたパンツを顔にグチャッと付けられて「うぅぅぅぅ」と唸っているだけの女など、ぜんぜんサディズムでもなければマゾヒズムでもなく、これじゃあただの近所のイジめっ子なのである。
 しかも臭い!彼女の顔でグチャッとなっているウンコ臭が正常位で腰を振っている僕の顔にモワンモワンと襲って来るのである。そりゃあまだ彼女は自分のウンコだから良かろうが、しかし僕にとったらそれは他人のウンコであり一文の得にもならないのだ。いや、臭い分余計に損なのだ!
 こりゃあ取り返しのつかない事してしまったな・・・と、僕はウンコだらけのナメクジ女を見下ろしながら腰を振り、それでも一応「うっ!」と大量の精液をコンドームの中に放出したのだった。


               14


 次の当直日、いつもよりも早く出勤した僕は、今夜はどの患者を犯してやろうかと病棟を徘徊していた。
 そんな僕を見て、さっさと帰り支度をはじめた鏡嶋主任は、「妙に張切ってるじゃないか」と満足そうに頷いている。
 そんな鏡嶋主任が病棟を出て行くと、僕はとりあえずカップラーメンの夕食をとりながら、管理室のモニターに映る患者達を順番に眺めた。

 三号室。
 30代のアル中女だ。
 豊満な熟女といった容姿の彼女は、床のトイレでウンコをするのがイヤだと言っては便秘になり、前園さんに浣腸された女だ。モニターに映るそんな彼女は、まるで普通のおばさんのように静かに本を読んでいる。
 本を読めるくらいだから、この病棟ではまだ正常な方だ。
 いや、もしかしたらこのおばさん、わざと便秘になって前園さんに浣腸をねだったのかも知れない。
 スカトロ好きな変態熟女か・・・いや、前回スカトロでは失敗してるからこれはパスだな・・・・

 僕はそう思いながらカップ麺をすすり、次のモニターに目をやった。

 四号室。
 髪を茶髪に染めた二十代のシャブ中。
 入口の鉄扉に嵌め込まれている透明アクリルを鏡代わりにして指でサッサと前髪を解いている。
 やはり若いだけあり見た目はキャバクラ嬢のようで、この特Bの中でもダントツに良かった。
 まだこの精神異常の世界に来て間もないせいか、無駄毛や体の汚れも少なく、それなりに人間らしさが漂っている。
 ただし、この女は性格があまりにも凶暴すぎる。
 もし、悪戯している最中に目を覚ました時が大変そうだ・・・。

 五号室。
 ナメクジ女。
 こいつは先日大失敗したからパスだ。
 っていうか、このナメクジ女とヤってからというもの、僕のペニスが更に悪臭を放つようになったような気がするため、こいつはもう2度とヤらないだろう。

 六号室。
 ハイヒールのモモコに似た茶髪の三十代。妙に色っぽいシャブ中だ。
 この女とは睡眠剤なしでも出来るような気がする。
 だからこの変態女はそれほど慌てることはない。

 八号室。
 小柄で上品な四十代のおばさん。しかし、見た目は大人しそうだが実は夫を殺した殺人犯。
 このおばさんは色情魔らしく、かなりセックスも楽しめそうだが、しかし、前園さんは、松川のようになりたくなければ八号室には絶対に近付くな!っと、僕を絶対に八号室に近寄らせようとはしない。
 できることなら今夜はこのおばさんで楽しみたかったのだが、しかし、一応先輩の忠告は聞いておくことにする。
 まだまだお楽しみは始まったばかりなのだから。


 スープだけ残ったカップラーメンをそのままゴミ箱の中に投げ捨てると、僕は背伸びをしながら管理室を出た。
 特Bの入口の鉄扉のゲートの前には、いつの間にか本棟から運び込まれた患者達の夕食が入った箱がポツンと置いてあった。
 僕はさっそくヤカンに火をあて、患者達の夕食の準備に取り掛かった。
 番号が書かれた紙コップに、温いお茶をトポトポと告ぐ。
 陶器の食器は禁止されているため、患者達はこの紙コップでお茶を飲む。しかもそのお茶は熱湯が禁止されているため、人肌のように温かった。

 夕食の入った箱と紙コップのお茶をステンレス製のワゴンに乗せると、それを廊下にガラガラと押しながら「配食~」っと号令をかける。
 一号室と書かれた無人の保護室の前で、こっそり弁当箱の蓋を開けて今夜の献立を覗いてみた。
 ふりかけが混ざったおにぎりが2つと、鳥の唐揚げが2つ。それに、サラダのつもりなのか、スティック状にカットされた細いキュウリが二本と三日月型のトマトがひとつ転がっていた。
 ここの患者は、箸やフォークを使わせて貰えない。それらを武器にしたり、又はそれらを飲み込んでは自殺を図ろうとするからだ。だから特Bの食事というのは、全て手掴みで食べられるように工夫されていたのだった。

 三号室に行くと、ベッドに座っていた浣腸おばさんがパタンと本を閉じ、ニコニコと微笑みながらドアに向かって来た。

「いつもすみません・・・・」

 強化アクリルの向こうから、浣腸おばさんのそんな籠った声が響いて来た。
 僕もそんな浣腸おばさんに笑顔で答えながら、小さな小窓から手掴み弁当をソッと差し入れた。

 しかし、四号室に行くと雰囲気はガラリと変わっていた。
 ベッドの上で腕を組んで座っていた茶髪患者は、僕が廊下に現れるなり、まるでヤンキーがカツアゲする獲物を見つけたかのような目でギロッと睨み、眉間にクッキリと太いシワを作りながらゆっくりと立ち上がった。

(せっかく可愛い顔をしているのに、勿体無い女だ・・・・)

 僕はそう思いながらも静かに小窓を開け、そこに「特」とマジックで書かれた弁当箱をソッと置いた。
 すると突然、茶髪患者がヌッと小窓を覗き込んだ。
 温い紙コップのお茶を手にしたままの僕は、そんな彼女の唇には口紅が塗られているのではないかと、その血行の良い若々しい唇に一瞬ドキッとした。

「おい・・・おまえ、この間の当直ん時、隣のバケモノとヤってただろ?」

 茶髪患者は低くそう呟くと、僕の顔を見て一瞬ニヤッと笑った。

 僕はそんな茶髪患者の言葉を無視したまま小窓の台の上に紙コップのお茶をソッと置いた。
 その瞬間、僕の顔面に生温かいお茶がビチャッと降り掛かった。

「気持ち悪りぃんだよ変態!院長呼べよ院長を!テメェが何をヤッたか全部院長に話してやるから院長呼べよ!」

 茶髪患者はそう叫びながら鉄扉のアクリル板におもいきり体当たりした。
 小窓の台に置いてあった弁当は床に散らばり、油ギトギトの唐揚げが暴れまくる茶髪患者に踏み潰されては細切れに変わっていく。
 そんな茶髪患者の叫び声に反応したのか、廊下の奥の方から「ごめんなさいごめんなさいごめんなさい」という金切り声が響き始め、キャハハハハハハハハハっという甲高い笑い声が谺する。
 恐らく、「ごめんなさい」の念仏を唱えるのは八号室の色情魔で、甲高く笑うのは六号室のモモコ患者だ。
 そんな喧噪に包まれながら、僕は、廊下に転がっていたのりたまのおにぎりを拾おうと腰を屈めた。
 すると、小窓に顔を押し当てて叫んでいた茶髪患者が、腰を屈めた僕の横っ面にいきなり唾を吐きかけた。
「こら!やめなさい!」
 僕は慌てて後ずさりながらそう叫んだ。

「うるせぇ変態野郎!テメェこそ隣の特Aに監禁されろ!死ね!死ね!死ね!死ね!」

 茶髪患者は狂った目をギラギラさせながら、その綺麗な顔からは想像できないような汚い言葉を吐き散らし、ついでに唾も吐き散らした。
 僕は左頬に飛んだ唾を白衣の袖で拭いながら、そんな茶髪患者をジッと見つめた。
 そして、そんな茶髪患者に向かって心でこう呟いた。

(今夜・・・・覚えておけよ・・・・)

(つづく)

《目次に戻る》 《第6話へ続く》



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